宇宙の果ての星に降り立ったら? 海の底の生物の姿は? まったく手つかずの世界の光景が、まだまだ残されています。
そんななか、もっとも身近で、もっとも知らない世界があります。私たちのカラダの内部です。
広大なフロンティア、「人体」では日々、生きること、学ぶこと、老いることなどに関わる様々な細胞、様々な臓器の驚くべき営みがあります。当社では、未だ映像化されていないカラダの内に広がる未知なる領域を、4Kの高精細映像で可視化する「ボディ・プロジェクト(Body : the inside story)」をスタートさせました。独自4Kコンテンツとして、放送番組にとどまらず、内外の科学館、研究機関などで、幅広くご利用いただきたいと考えています。
私たちが着目したのは、医学の分野で世界的に蓄積が進む、「大量の体内情報ビッグデータ」。MRI(核磁気共鳴画像法)やCT(コンピューター断層撮影)、様々なバイオ・イメージングなどで計測されたデータは、人体を細胞レベルで記録した貴重なデータですが、これまで病気の治療や研究目的など限られた利用が主で、一般の利用は困難でした。
これらのデータを可視化することで、人体の神秘を「映像」で再現し、広く多くのみなさんに人体の営みや生命の偉大さを伝えていきたいと考えています。
例えば、私たちの生命活動の司令塔・脳はもっとも柔らかい臓器のひとつ。ふわふわの豆腐ぐらいの強度しかなく、いかにして脳を衝撃から守るのかというのは重大な問題です。プロジェクトでは、アメリカのジョンズホプキンス大学の研究者が運営する脳データベースと連携し、これまで詳細には映像化されてこなかった脳の構造を可視化することにしました。3層の膜と液体で包まれた繊細な構造が、やわらかな脳を守るだけでなく、脳の老廃物を洗い流す役割を持っていることが、わかってきました。「映像」で再現することによって、研究者などごく一部しか知らなかった未知なる空間を、旅するように学ぶことができるようになります。
また、みなさんが美容と健康のためにせっせと食べている数多くの食品。体内に入ると、どんな運命をたどっているのか、見たことはありませんよね。すべての栄養素を吸収する小腸の精緻な構造についても、最新のバルーン内視鏡や電子顕微鏡データなどを使って、可視化しました。消化と吸収の舞台は、ピンクのじゅうたんのような「絨毛(じゅうもう)」の森です。500万本以上といわれる「絨毛」、その細胞1つ1つにさらに細かくびっしり生えた「微絨毛」が生えています。私たちの食べた食物のうち、無数に種類のあるタンパク質、炭水化物、脂肪はたった3種類の栄養素に分解された後、この「微絨毛」によって小腸に吸収されます。
「絨毛」の森に一緒に暮らしているのは、100兆以上といわれる腸内細菌たち。私たちにとって、別の生命体であるはずの彼らの存在も、日々の美容や健康に影響を与えていると考えられています。
プロジェクトでは、「胃」、「小腸」、「脳」、「生殖器」などのテーマでリアルデータを収集し、体内の活動を忠実に再現した「人体4K映像アーカイブス」を目指しています。
コンテンツはYouTubeなどでも一部公開しますので、「百聞は一見にしかず」、ぜひご覧いただきたいと思います。ラインナップも今後、拡充していく予定です。
4Kで映像をご利用になりたい方は、ボディ公式ページを通じてご連絡ください。
人体4Kアーカイブス
Body : the inside story 私たちのカラダ
公式ページ
http://bodytokyo.jp
Youtubeメイキング映像
http://goo.gl/IKnsPh
誰も見たことがない世界への近くて遠い旅 “ボディ・プロジェクト”制作記
https://www.nhk-ep.co.jp/body-160307/?portfolio